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会社の本店所在地の決め方と電子定款への記載の注意点

電子定款における本店所在地の記載方法を解説する日本語インフォグラフィック。定款PDFを表示したノートパソコン、本店所在地を示すオフィスビルのイラスト、注意マーク、行政書士風の人物が描かれており、「電子定款における本店所在地の記載」のタイトル付き。

はじめに

会社設立時には、定款に「本店所在地」を記載する必要があります。とくに電子定款を作成する場合、その記載方法によっては設立後に不要な手続きや変更登記を求められることもあるため、慎重な判断が求められます。

この記事では、本店所在地を決める際の考え方、定款への正しい記載方法、よくある誤解やトラブルをわかりやすく解説します。

本店所在地とは?定款と登記で求められる記載の違い

「本店所在地」とは、会社の主たる業務を行う拠点を指し、多くの場合、実際に事業を行うオフィスや事務所の所在地を意味します。
ただし、定款と登記申請書では、記載される範囲や目的に違いがあります。

  • 定款:本店の「所在場所(最小行政区画)」を記載するのが一般的
     ※番地まで記載することも可能ですが、変更時の手続き負担を避けるため、行政区画(市区町村名または東京都の特別区名)にとどめるのが実務慣行です。
  • 登記申請書:本店の「具体的所在地(番地以下を含む詳細住所)」を記載

つまり、定款には柔軟性を持たせるために簡略な記載を、登記には正確性を重視して詳細な記載を行うという運用が、会社設立時の一般的な実務となっています。るという棲み分けがあります。

なぜ定款には「最小行政区画」までしか書かないのか?

法的根拠(会社法施行規則)

会社法施行規則第27条では、本店所在地について「市、区、町又は村における所在の記載」が必要とされています。つまり、番地までの記載は法律上求められていません。

実務上の理由

最小行政区画までの記載にとどめる最大の理由は、変更リスクを回避するためです。たとえば、オフィス移転による番地変更やビルの名称変更などがあった場合、番地まで定款に記載していると、株主総会の特別決議や公証役場での再認証、変更登記が必要になることがあります。

その点、最小行政区画(例:東京都新宿区、大阪市など)までにとどめておけば、同じ区内や市内での移転であれば、定款変更を省略できます。

定款記載の正しい形式(実例と注意点)

▼ 正しい記載例

所在地定款記載備考
東京都渋谷区渋谷東京都渋谷区東京23区は「都名+区名」まで記載が必要
神奈川県横浜市西区みなとみらい横浜市政令指定都市のため「市」まででOK
大阪府大阪市北区梅田大阪市同上
千葉県千葉市中央区千葉市県名と市名が同一のため「千葉県」は省略可

東京23区と政令指定都市の違いに注意

東京23区の場合は「東京都+区名」までの記載が必要です。たとえば「新宿区」だけでは不備とされるますので、**「東京都新宿区」**と明記しましょう。

一方、政令指定都市(横浜市・大阪市・名古屋市など)は「市」まででOKで、「区」の記載は不要です。これは実務でも登記実務でも共通の扱いとなっています。

電子定款作成時の注意点

電子定款の認証においても、記載方法は紙の定款と同様です。最小行政区画までの記載が原則で、公証役場もこの形式での認証を受け付けています。

また、定款に「番地以下」まで誤って記載してしまうと、公証人から訂正を求められる可能性があります。電子署名後の訂正は再署名が必要となるため、手間や時間が余計にかかるので注意しましょう。

よくある誤解:「定款と登記が一致しないと却下される?」

実務では、定款と登記申請書の内容が一致していなくても問題ありません。
たとえば、定款には「東京都渋谷区」と記載し、登記申請では「東京都渋谷区渋谷1-1-1」と記載することが一般的であり、この違いは当然のものとして扱われ、登記は問題なく受理されます。

このため、「定款に番地がないから登記できない」ということはありません。

本店所在地の選定で注意したい3つのポイント

① 賃貸物件を利用する場合

事務所として利用可能かどうか、契約書や管理規約をよく確認しましょう。特に集合住宅では「法人登記禁止」や「事業利用不可」の場合があります。

② バーチャルオフィス・レンタルオフィス

最近は登記可能なバーチャルオフィスも増えていますが、注意点として以下があります:

  • 一部の許認可(古物商・建設業など)ではNG
  • 銀行口座開設が困難になることも

③ 自宅住所での登記

コストを抑えるために自宅住所を本店とする方も多いですが、以下のリスクもあります:

  • プライバシーの問題(住所が公開される)
  • 家主の同意が必要な場合がある
  • 近隣トラブルに発展するケースも

まとめ

会社設立時に定款へ記載する「本店所在地」は、将来の変更リスクや認証手続きの手間を避けるためにも、最小行政区画(市区町村・東京23区の場合は都名+区名)までにとどめるのが原則です。
特に電子定款では、形式の誤りがあると認証を受けられず、スムーズな会社設立の妨げになるおそれもあります。

住所表記ひとつをとっても、法律や実務の知識が求められるのが定款作成です。
不安な方は、最初から専門家に任せることで、確実かつ効率的に手続きを進められます。

弊所では、電子定款の作成から公証役場とのやり取りまで、すべて代行可能です。
「手間を省き、正確に進めたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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